岐阜商工会議所の概要

平成27年 年頭所感

岐阜商工会議所 会頭 村瀬幸雄

 皆様には、平成27年の新春を健やかにお迎えのことと心よりお祝い申し上げます。

 昨年のわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減による影響をうけつつも、日銀の追加緩和や、アベノミクスの経済政策により輸出企業を中心に収益は改善し、景気は緩やかな回復基調にありました。

 しかしながら、夏場の天候不順や消費税率の引き上げが相俟って個人消費が大きく落ち込んだことから、政府はデフレ経済からの脱却を確実にするため、消費税の再増税を見送るなど、国内需要の回復には弱さがみられました。

 本年につきましては、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が一巡するとともに、米国をはじめとする海外景気が回復軌道をたどるものと予想されることから、輸出も緩やかに増加し、景気は回復基調を維持するものと思われます。

 他方、急激な円安による原材料価格の上昇やエネルギーコストの負担増により、中小企業の経営環境は依然として厳しいものと認識しています。

 こうした中、地方の人口減少・超高齢化というわが国が直面する大きな課題に対し、官民が一体となって、地域が持続的に経済成長するための地方創生に向けた取り組みが求められております。行政や各関係機関等と連携強化を図り、中小企業の収益力向上だけでなく、経営課題解決のための経営支援の充実に努めてまいります。

 とりわけ、当地の経済振興には、東海地方経済の中心である名古屋地域の活力取り込みが不可欠であり、名古屋商工会議所との連携を一層強化し、メッセナゴヤへの出展や合同ビジネス交流会開催などの各種共同事業を積極的に展開していくなかで、会員事業所の販路拡大や収益拡大に寄与していきたいと考えております。

 また、岐阜の魅力を高めるための「まち」づくりについても取り組んでまいります。暮らしやすく賑わいのある「まち」を目指して、都市機能の拡散に歯止めをかけ、都市機能がコンパクトに集積した岐阜市中心市街地が実現されるよう、関係方面との協力体制の充実を図っていく所存であります。

 さらには、地域産業の多面的な経済発展には、当地域に存在する多数の観光資源と連携させたインパクトのあるまちづくりが必須であります。このような中、本年五月に、全国商工会議所専務理事・事務局長会議が県内観光の要である岐阜市において開催される運びとなっております。当地の観光資源を全国の商工会議所に広く発信することにより、地域経済の更なる発展に繋がるものと期待されており、観光振興の一助となるよう取り組んで参ります。

 他方、将来において国内需要の縮小が憂慮されるなか、海外市場の新規開拓や生産・販路拠点の多極化を目的とした海外進出や、海外誘客の促進等、海外戦略の重要性は一層高まっております。今後、経済成長が見込まれるアセアン諸国へ進出される会員企業の海外展開支援を目的としたセミナーや現地視察などの諸事業を積極的に展開していきたいと考えております。

 皆様方の今後のご健勝とご繁栄を祈念いたしますとともに、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。