岐阜商工会議所の概要

令和5年 年頭所感

岐阜商工会議所 会頭 村瀬幸雄

皆様には、新春を清々しい気持ちでお迎えのことと心よりお祝い申しあげます。

昨年の日本経済は、新型コロナ感染症拡大の影響やウクライナ侵攻を起因とする資源エネルギー高、急激な円安など多事多難な一年でしたが、年の後半には行動制限が大幅に緩和されるなど、感染抑制と社会経済活動の両立に向け着実な一歩を踏み出しました。個人消費や観光需要も上向き、今後緩やかな回復基調をたどると期待しています。

明るい話題もありました。日本代表のカタールワールドカップでの活躍、代表選手が控室を、サポーターが会場を綺麗にして後にする姿は世界中から称賛されました。

「ぎふ信長まつり」には、俳優の木村拓哉さんが織田信長役、伊藤英明さんが福富平太郎貞家役で登場し、「岐阜」の知名度が全国的に上がりました。

そして、新岐阜県庁舎が1月4日に開庁し、中心市街地では「柳ヶ瀬グラッスル35」が竣工し、「金公園」が新しく生まれ変わります。JR岐阜駅前ではツインタワーの計画もスタートしており、いよいよ名鉄高架事業も始まります。ここに来てコロナの感染者数が増えており、まだまだ油断はできませんが、岐阜市が大きく発展する年になることを願っています。

現代はビジネス環境が激しく変化する時代です。事業者が競争力を維持し強化するためにはDXの推進が大きな力となります。また、地球環境と経済活動の調和を図り、持続可能な社会を実現するためにはSDGs・カーボンニュートラルの取り組みが必要となります。今後は社会課題を解決するための投資が成長分野としてますます加速していくのではないでしょうか。

岐阜商工会議所では、変化の激しい不透明な時代を事業者の皆さまが成長の好機として捉え、将来に夢を持ち、果敢に挑戦できるよう、創業支援、事業承継や事業転換の支援に全力で取り組んでまいります。

地域経済の担い手である新たな事業者を育て、既存事業者の再生・改善を支援することは、地域の成長力を高めるために極めて重要です。若い方からシニア、女性の創業を支援するとともに、「岐阜県中小企業活性化協議会」は、収益力改善、事業再生、再チャレンジ支援を一元的に、「岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター」は、後継者不在や事業承継の悩みなど全般にわたる支援を行います。引き続き、県下の商工会議所、商工会、金融機関をはじめとした事業承継ネットワーク構成機関と連携し、様々な相談に対してワンストップ体制で対応してまいります。

海外戦略の重要性は、販路拡大、生産・販売拠点の多角化などを目的に、一層高まってきています。自治体やJETROなどの政府関係機関等と連携し、海外市場に挑戦する事業者を支援し、県産品の販路拡大支援に努めてまいります。

観光産業の支援にも注力いたします。近時、人々の行動様式や考え方も変容しています。岐阜市の文化や自然環境に配慮したサスティナブル・ツーリズムを進めながら、伝統的な観光資源である「岐阜城」、「金華山」、「長良川」に創造力を加え、新たな魅力を引き出し伸ばしていきたいと考えています。「観る」だけでなく、「体験」し「食」を楽しむ機会を創り、国内外旅行者の満足度を高めていきたいと考えています。また、本年は待ちに待った長良川の花火大会が4年振りに復活します。皆さんに元気を届ける花火大会にしたいと思っております。

インフラ関連では、2026年度には東海環状自動車道が全線開通する予定です。既に三輪スマートインターチェンジが開通し、2024年度には岐阜インターチェンジが開通見込みです。さらに、岐阜南部横断ハイウェイや名岐道路など高規格道路の整備が進み、企業誘致、物流、観光、防災など、経済成長を後押しする環境が整ってきています。また、近い将来、リニア中央新幹線の岐阜県駅が、東の新しい玄関口として効果を発揮するほか、濃飛横断自動車道・中部縦貫自動車道の整備など、中部圏一体の交通アクセスが充実します。引き続き、早期整備促進について、積極的に要望活動を展開してまいります。

今や、価値観の多様性を受け入れ、心の豊かさを大切にする時代です。私たちの価値観として、岐阜県で生活すること、働くことに幸せを感じる、岐阜県をそんな地域にしていきたいと願っています。仕事もプライベートも家族や良い仲間に囲まれ、ビジネスも観光も国内外を含めて、多くの交流が盛んな岐阜にしていきたいと考えています。

結びに、皆様方の本年一年のご健勝とご繁栄を祈念いたしますとともに、引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。