岐阜商工会議所の概要

事業報告

平成28年度事業報告

総括的概要

 平成28年度のわが国経済は、中国など新興国の景気減速や英国のEU離脱問題等海外市場の混乱や、国内においても熊本地震による甚大な被害、更には秋に行われた米国大統領選の影響などもあり、総じて波乱の多い展開となった。中小企業を取り巻く環境は、消費意欲の減退や安価な海外製品との競合激化等依然として厳しい状況が続いており、加えて「モノづくり」の現場を中心に人材不足は深刻さを増しつつある。

 こうした中、当所では恵まれた自然景観と鮎菓子などの地域資源とを結び付け、東海エリアなど身近な地域の需要を取り込むことはもちろん、国内外からの観光客をも呼び込むため長良川に育まれた文化に基づく「岐阜ブランドの確立」を目指してきた。この活動が認められ6月には日本商工会議所主催の全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞の「観光立“地域”特別賞」を受賞した。

 こうした中、当所では恵まれた自然景観と鮎菓子などの地域資源とを結び付け、東海エリアなど身近な地域の需要を取り込むことはもちろん、国内外からの観光客をも呼び込むため長良川に育まれた文化に基づく「岐阜ブランドの確立」を目指してきた。この活動が認められ6月には日本商工会議所主催の全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞の「観光立“地域”特別賞」を受賞した。

 11月20日には「鮎菓子たべよー博・2016秋」を3月に開催したプレイベントに続き開催した。これは鮎菓子の魅力を県内外に広く発信し「岐阜と言えば鮎菓子、鮎菓子と言えば岐阜」と言われるよう鮎菓子の更なるブランド力向上を目指し開催したものであった。前回を上回る約9,500名が来場し、鮎菓子だけでなく地元の銘菓を改めて見直す絶好の機会になった。

 また「岐阜シャツ」は、昨年度に引き続いて「feel NIPPON 春 2017」に出展し、スピンオフ商品である岐阜シャツ和装の着物、帯、襦袢を展示し、バイヤーから多数の引き合いがあった。さらにブランド構築の一環として、イタリア・フィレンツェで行われる世界有数のメンズファッション展示会「ピッティイマジネウォモ」を視察するとともに、現地の行政及び商工会議所を表敬訪問し「岐阜シャツ」をPRした。

 他方、平成28年4月22日付で経済産業大臣より小規模事業者支援法に基づいた経営発達支援計画の認定を受けた。当計画のもと岐阜市内の小規模事業者が抱える多様な経営課題に対して経営支援員が事業者に寄り添って課題の解決をはかる伴走型支援に取り組んだ。

 恒例の「メッセナゴヤ2016」には会員企業12社18小間が出展し、各社の製品や技術、サービスを広く紹介したほか、出展者同士が活発に交流し新たな商機を見出す可能性が広がった。

 まちゼミ「おしえ店長サン」は、事業者が専門店ならではのコツや知って得する情報を公開し店のファン形成や新規顧客開拓につながることを目的に実施した。今回で通算5回目を数え8月、9月に開催した。講座は一般向けと親子向けの二本立てで期間中には66事業所が90講座を開講し、延べ700名が受講した。魅力ある講座が多数開催され、受講者の9割が満足と答えた。事業者にとっても新規顧客との出会いの場になると同時に、自店の集客力と魅力をさらに高める絶好の機会となった。

 このように、平成28年度は当所にとって、地域資源を活用し、地域と共に発展するという商工会議所の原点に立脚した事業を鋭意展開した年となった。

 主な事業について以下に列挙する。

1 中小企業・小規模企業の振興対策について

(1) 経営発達支援計画の実行

 経営発達支援計画とは、小規模事業者の事業の持続的発展を目的として、商工会及び商工会議所が小規模事業者の事業計画作成とその着実な実施を支援することや、地域活性化につながる展示会の開催などの面的取組を促進するため、商工会及び商工会議所が作成する支援計画のうち、小規模事業者の技術の向上、新たな事業の分野の開拓、その他小規模事業者の経営の発達に特に資するものについての計画を経済産業大臣が認定する仕組み。

 平成28年4月22日付で経済産業大臣の認定を受け、計画目標を達成するべく様々な事業に取り組んだ。

(2) 経営支援員による経営改善の相談指導

 小規模事業者の経営改善を図るため、当所の経営支援員ならびに専門経営支援員による相談指導を、巡回では1,948事業者に対し延べ3,368回、窓口においては538事業者に対し延べ1,112回行った。また講習会等を通じて行った相談指導は延べ58回、参加者延べ891名の実績となった。

(3) 金融の推薦・斡旋

 小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)について、日本政策金融公庫に24件・13,590万円の案件を推薦し、24件・13,190万円の貸付が決定された。 また日本政策金融公庫普通貸付については14件、県制度融資8件の紹介実績をあげた。

(4) エキスパートバンク制度の活用援

 経営・営業・生産・技術などの分野において専門的知識・技術について深い見識を有する専門家(エキスパートバンク登録者:246名)を小規模事業者の経営の現場に延べ221回派遣した。

(5) 創業・起業等の啓発、支援

 創業・起業を目指す者や起業後間もない者を対象に、起業に向けての基礎知識や心構え並びにノウハウを学ぶセミナーや創業塾を開催した。先輩起業家の体験談を聞くことにより豊かな夢が膨らみ、最終的に自分のビジネスプランを作成することにより夢の実現への支援を行った。

 また、地域のにぎわい創出を目的として「飲食業」「美容業」に特化した創業塾を開講し、新規開業の促進・地域雇用機会の創出等を図った。

・ 集団指導
  夢をかなえる創業スクール Gifu受講者数   22名
  美と食の創業塾受講者数          22名
・ 個別指導
  巡回・窓口等による創業相談者数    73名
  延べ       創業指導件数     144件
・ 実際に創業に至った件数    15件

(6) 広域ビジネス交流支援事業

 本年度も名古屋商工会議所との各種共同事業を実施した。2月に大手流通企業等に対して中小企業者が自社の製品やサービスを提案する「売り込み!商談マーケット」を名古屋商工会議所にて開催し、バイヤー企業31社111名、サプライヤー企業229社352名が参加し、商取引に繋がる商談が展開された。

 日本最大級の異業種交流会「メッセナゴヤ2016」において、新たな顧客、取引先を発掘することを目的に会員企業12社が合同で18小間のスペースにて出展し、来場者や出展企業との交流・PRに努めた。

(7) ビジネス商談会事業

 中小企業者・小規模事業者が大手企業に対して自社の製品や技術をPRする商談会を金融機関と連携し開催した。バイヤーとなる企業が求めるニーズを事前に提示し、そのニーズに対して提案できる中小企業者を募り商談機会を創る事前調整型商談会を4回開催した。

(8) 商店魅力発掘事業

 商業者(商店主またはスタッフ)が地域住民に対し、専門店ならではのコツや知って得する情報を教えるゼミナール・通称「まちゼミ おしえ店長サン」事業を前年度に続き実施した。今回は通算で5回目となり、8月1日から9月30日までの夏期に親子で参加できる企画を開催した。事業期間中には66事業所が90講座を開催し、延べ700名が受講した。店のファン形成や新規顧客開拓につながるような魅力ある講座が開催された。

(9) 中小企業・小規模事業者情報プラットフォーム活用支援事業

 中小企業・小規模事業者が抱える経営課題への支援体制を強化するため、中部経済産業局が実施する「中小企業・小規模事業者情報プラットフォーム活用支援事業」において、支援ポータルサイトやミラサポ専門家派遣を積極的に活用した。 

 「がんばる企業応援ネットワークぎふ」のプラットフォーム構成員として、国や県の支援制度の活用や専門家の派遣等により中小企業の課題解決に向けた取り組みを支援した。

(10) 「わかあゆ賞」による創業支援

 当所の支援を受け、岐阜市内で開業した創業者や地域産業資源を活用し新たな商品・サービス等を開発、または開発に挑戦する事業所等に対して、会頭・副会頭がその門出を祝福する制度を創設。1事業者を表彰し、創業および開発に取り組む事業者等の支援に取り組んだ。

(11)「創業融資利子補給制度」による創業支援

 地域経済の担い手となる起業家育成のため経営の安定と持続的発展を促進することを目的に、資金余力がなく創業に必要な資金の融資を金融機関で受けた者に対し、融資資金に係る利子の一部を補給する制度を実行した。

(12) 岐阜県中小企業再生支援協議会の活動

 厳しい経済情勢下で窮地に立つ中小企業の再生に向けて、「産業競争力強化法」に基づき、国の認定支援機関として委託を受け、企業再生専門のスタッフ5名を配置し、再生可能な企業に具体的かつ実現可能な再生計画の策定を行った。

 

 経営改善計画策定支援事業は、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えながら、金融支援を必要とする中小企業・小規模事業者にあって、自ら経営改善計画を策定することが困難な状況にある者を対象として、中小企業経営力強化支援法に基づき認定された経営革新等支援機関が策定支援を行うことを目的に事業を実施した。

 岐阜県経営改善支援センターに常駐専門相談員等を配備し、問合せ・相談の対応と一定要件の下で、経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及びフォローアップ費用の総額の3分の2(上限200万円)の費用支払事務を実施した。

(13) 岐阜県事業引継ぎ支援センターの活動

 岐阜県内の多くの事業所が、代表者の高齢化にもかかわらず後継者が不在であるといった問題を抱えており、今後はこれに起因した事業所の廃業が懸念されている。事業所の減少は、産業の衰退や雇用の減少といった社会的な影響を及ぼすため、後継者不在の中小企業に対し事業の引継ぎに関する啓蒙活動と相談事業を行う。常駐の専門相談員1名が、66企業に対して124回のアドバイスを行った。

2 観光・ブランド戦略について

(1) 鮎菓子たべよー博・2016秋

 平成28年11月20日、じゅうろくプラザなどで「鮎菓子」をテーマとするイベントを開催した。当イベントは、岐阜の銘菓である鮎菓子の魅力を県内外に広く発信し、ブランド力向上を目指すものである。昨年度、岐阜商工会議所でプレイベントを行った際には、来場者が7,500名を超える盛況ぶりであった。

 当日、会場には岐阜市内で鮎菓子を製造している30事業所から自慢の一品が集結した。前回のプレイベントで好評を博した「食べ放題カフェ」や「鮎菓子作り体験」のほか、和菓子店とさまざまな事業所がコラボレーションした「当日限定鮎菓子」の販売も行い、なかには販売開始からわずか7分で完売するものもあった。また、「鮎菓子つくろーコンテスト」と題し、新たな鮎菓子や鮎菓子販売用のパッケージを事前に公募・審査し、当日会場で入賞作品の展示と表彰式が行われた。

 前回を上回る約9,500名が来場し、出展事業者からも今後、当イベントがもたらす効果に大きな期待が寄せられている。

 なお、当所の岐阜ブランド確立に対する一連の活動に対し、日本商工会議所主催の平成28年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞「観光立“地域”特別賞」を受賞した。

(2) 岐阜シャツプロジェクト

 岐阜市の地場産業であるアパレル産業の振興・発展を図ることで地域経済の活性化の促進を企図した「岐阜シャツプロジェクト事業」について、ヨーロッパへの視察と岐阜シャツ和装の開発事業を実施した。ヨーロッパの視察では岐阜県地域活性化ファンド助成金の採択を受けて、世界有数のメンズファッション展示会「ピッティイマジネウォモ」を視察するとともに、フィレンツェ市の行政を表敬訪問した。

 岐阜シャツ和装の開発事業では平成28年度地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト(小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業)の採択を受け、着物、襦袢、帯などの試作品を開発し、平成29年2月8日から10日まで東京ビッグサイトにて開催されたfeel NIPPON春2017に出展した。

3 まちづくりへの参画について

 内閣総理大臣より認定を受けた2期岐阜市中心市街地活性化計画(61事業)を鋭意継続中であり、平成28年8月及び平成29年1月開催の協議会において進捗状況の確認と今後の課題等について協議を行った。平成28年7月には有識者を招聘し岐阜市中心市街地の将来展望について協議するシンポジウムを開催した。

   また、空き店舗出店希望者相談会を実施したほか、商店街振興組合連合会主催の各種会合や中部中心市街地活性化ネットワーク会議に参加し情報の共有を図った。

4 検定試験について

 当所では、ビジネス社会で企業人として求められる基礎的な能力の開発支援や、中・小規模事業者の経営力向上のため、従前より各種検定試験を実施している。本年度は14種類、延べ25回にわたり検定試験を行い、申込者は合計4,630名となった。  

 前年度の申込者数と比較してみると、日商簿記検定は73名、販売士検定は196名の減少となった。また東商6検定については、ビジネスマネジャー検定とBATIC(国際会計検定)を除く4検定において合計で60名程増加した。検定試験全体では、前年対比約6%の減少となった。

5 会員サービスについて

(1) 会員優待サービス事業

 会員事業所の従業員やご家族の方々の福利厚生に活用いただけるよう、レジャー施設等を割引料金で利用できる補助券・割引券の発行や、演劇公演チケットの割引価格での提供を行った。

(2) ヘルスサポート事業

 企業において従業員の健康増進・維持が重要な課題とされる中、会員事業所の法定健診受診に係る費用負担の軽減及び受診率向上による企業経営の健全化に資するため、健診センターと提携し会員事業所対象の健康診断料金の一部補助事業を実施した。

 また、耐震リニューアル工事に伴い休止中の「ヘルスサポートルーム」の測定機器を活用して、ぎふ信長まつり楽市楽座にて「健康チェック無料体験」事業を実施し、地域の方々の健康管理の意識向上を図った。

6 共済事業について

 共済制度加入者に対する還元事業として平成28年12月に106名の参加者を得てシルク・ドゥ・ソレイユ ダイハツ トーテム観賞会を実施した。また、会員サービス事業でも実施しているナガシマスパーランド他レジャー施設等の優待割引利用補助券の発行を行った。

7 産業基盤の整備促進について

(1) 東海環状自動車道の早期建設

 平成28年8月25日に、国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所長、中日本高速道路株式会社名古屋支社名古屋工事事務所長を講師に迎え講演会を開催し、その後の総会にて決議文を採択した。また、6月30日には、岐阜県議会東海環状自動車道西回りルート建設促進議員連盟など3団体との合同により「東海環状自動車道西回りルート建設促進大会」を開催した。

 要望活動については、10月31日に国土交通省、続く11月2日に国土交通省並びに財務省、11月11日に首相官邸並びに国土交通省など関係各方面に対し、それぞれ東海環状自動車道の早期建設を強く要望した。

(2) 中部国際空港へのアクセスの整備

 中部国際空港については、国際拠点空港としての機能を十分に発揮するため、岐阜県から当該空港までのアクセス整備が必要不可欠である。平成29年3月24日には、愛知県に対し、岐阜県並びに北陸、長野方面などからの重要なアクセス道路となる東海北陸自動車道南進部(一宮西港道路)、第二伊勢湾岸道路、西知多道路等の調査を促進し、路線計画の固まった区間からの逐次整備について強く要望した。

(3) 岐阜南部横断ハイウェイ整備促進期成協議会の設立

 県土の東西を繋ぐ岐阜南部横断ハイウェイは、中部圏内陸部の東西交通を支える重要な社会基盤であり、沿線各地域の経済発展や観光振興に寄与するとともに、緊急医療ネットワークの強化にも繋がるなど、その波及効果については計り知れないものがある。これまで立体化やバイパス及び六車線化などの整備が進められ、渋滞の緩和や移動時間の短縮などの効果を得ているものの、未整備区間においては、慢性的な渋滞や交通事故が多発し、これらに起因する生産性の悪化など、住民生活や地域経済に大きな支障となってきた。このため、当該地域の各務原・美濃加茂・可児商工会議所や近隣の商工会が一体となって未整備区間の早期建設について積極的な推進活動を行うため、岐阜南部横断ハイウェイ整備促進期成協議会を設立し平成29年3月23日に設立総会を開催した。

(4) 名岐道路整備促進期成協議会の設立

 国土の大動脈である名神高速道路をはじめ、東海北陸自動車道、国道22号等においては慢性的に渋滞が発生しており、これらが地元経済は勿論、日本経済に与える損失は大きく、効率的な物流ネットワークの構築が喫緊の課題となっている。地域高規格道路である名岐道路は名古屋圏域と岐阜圏域を繋ぐ骨格道路であり、社会経済活動の発展や観光振興を通した地方創生に寄与するとともに、防災対策としての代替性・多様性を確保するものであり、2027年のリニア中央新幹線の開業を視野に入れた整備が不可欠であり地元経済界として名岐道路の早期完成に向け積極的な推進活動を行うため、一宮商工会議所や近隣商工会と共に名岐道路整備促進期成協議会を設立し、平成29年3月23日に一宮商工会議所において設立総会を開催した。

8 会館耐震リニューアルについて

 当会館は昭和37年に建設されたものであり、会館の老朽化は長年の懸案事項であったが、平成23年の東日本大震災発生を機に本格的な協議に入った。

 そして、商工会議所は中心市街地にあることが重要であるとして、現在地で耐震補強および一般改修(リニューアル)を行うとの基本方針のもと、総務委員会および会館建設委員会にて具体的な協議を重ね、平成28年3月の議員総会において機関決定し、第三者による工事費査定支援を経て、平成28年7月着工に至った。平成29年10月末の完成を目指し、施工中である。